・日本にはXcoin以外に高性能なデジタル通貨はないの?
こんな疑問に答えます。
前回の記事では、竹田恒泰氏が開発したxcoin(エックスコイン)について解説しました。
今回は日本発の国産デジタル通貨同士の対決として、竹田恒泰氏のxcoin(Xwallet)と房広治氏のEXコイン(EXC)を比較してみたいと思います。
なお、xcoinはイーサリアムがベースとなっているため、イーサリアムとEXコインの比較として捉えることもできます。
この記事の目次
EXコイン(EXC)とは?
EXコインとは、ローコストかつセキュアに世界の決済サービスを代替できる、次世代のデジタル通貨プラットフォームです。
EXコインは高い利便性と拡張性を誇り、その技術は計14の特許を取得しています。
下記の記事でより詳しく解説しています。
EXコイン vs Xcoin
まずは下記のサマリーをご覧ください。
xcoinとEXCを対比しつつ、論点としてよく取り上げられる主要項目について記号を使って簡潔にまとめてみました。
①セキュリティ、②マーケット、③性能・機能、④マーケティングという4つの視点にわけて、それぞれをくわしく見ていきます。
① セキュリティ
前提として抑えるべき点として、xcoinはイーサリアム・プライベート・ブロックチェーン上で動いています。
そのため基本的にイーサリアムベースのセキュリティとなるため、非常に脆弱だと私は考えています。
それ以外の面については、竹田氏はExchangers社を運営してきた実績もありますので、合理的なセキュリティ水準で対応可能なのではないでしょうか。
一方、EXCは軍事機密レベルのセキュリティを誇るHSMを搭載し、審査中とはいえコモンクライテリアの国際基準Evaluation Assurance Level(EAL)で6+以上の評価が見込まれます。さらに、3ウェイ・データベース方式は特許が成立し、セキュリティ面の安全性には確固たる信頼があります。
「セキュリティ」の結果
セキュリティについては、規格外の性能を誇るEXCの圧勝といってよいでしょう。
② マーケット
xcoinはステーブルコインですから、法定通貨と価値が連動している限りにおいてはボラティリティ(価格の変動)の概念はありません。
一方、EXCは上場直後20%以上のボラティリティがあったものの現在では安定して上昇しています。損失が生じる可能性もありますが、「価格が下落するときにはピークの半額にとどまるのに対して、上昇するときには青天井」というEXCの特徴は、投資家目線では魅力的です。
流動性について、EXCはこの数ヶ月は以前と比べて板が厚くなってきましたが、一般的な金融商品と比べるとまだまだ流動性が足りません。
xcoinも換金時には在庫に限りがあるようなので、流動性の問題が解決されているとはいえなそうです。
「マーケット」の結果
EXCがすべての法定通貨から独立した値動きをする通貨であるのに対して、xcoinはステーブルコインであり、そもそもの性質が異なります。そのため②マーケットの指標は引き分けとしておきます。
③ 性能・機能
Q-Coreサーバの性能を生かしたEXCの強さが光ります。徹底したローコストオペレーションにより、スプレッドは僅か0.1%でも十分な利益を確保できます。
送金速度はEXCのほうがxcoinよりも20倍以上速く、特許に裏付けられた3ID認証システムによってすべてのトークン、所有者、トランザクションを追跡できるため、マネーロンダリング対策は万全です。
EXCの場合は金額に関わらずKYCが必要ですが、xcoinは200万円以下の送金にはKYCが必要ありません。そのためxcoinのマネーロンダリング対策には課題が残ります。
「構造」について言及しておくと、EXCは一般的には「中央集権」であるといわれますが、実際には管理者は分散されるためひとくくりに言い表すことはできません。
そもそも、目的ごとに最適解は異なるため、「中央集権か非中央集権か」という議論には意味がないのです。
「性能・機能」の結果
性能・機能の面も文句なくEXCの完勝といえましょう。
④ マーケティング
EXCは海外、とくにアメリカのベイエリアやイギリス・オックスフォード大学での知名度が高い反面、日本ではまだまだ普及していません。これは、海外でしか上場していないため開発者が日本国内でマーケティング活動を行えないことに起因します。
xcoinは日本国内では高い知名度を誇ります。しかし、海外でEXCのように高い期待感のもと認知されている様子は(私がリサーチした限りでは)ありません。
また、EXCはローコストオペレーションを徹底するために、人件費と広告費にはまったくといっていいほど予算を投じません。この点はxcoinと大きく異なります。
「マーケティング」の結果
こちらも引き分けとしておきます。EXCのローコストオペレーションは他にはない強みですが、xcoinがしっかりと収益をあげられるのであれば、大きな差にはなりません。
まとめ
下記の比較結果をご覧ください。
デジタル通貨としてより優れているのはEXコイン(EXC)というのが、当サイトの結論です。
ただ、EXCの本質はデジタル通貨プラットフォームですので、必ずしも他のデジタル通貨は競合にはなりません。EXCプラットフォーム上でxcoinを流通させるということも理論上は可能です。
xcoinの普及によって、閉鎖的な日本にデジタル通貨を受け入れる新たな土壌がつくられることを期待したいですね。