・コロナショックのEXコインへの影響は?
こんな疑問に答えます。
EXコインのチャートは、昨年以降一貫して右肩上がりです。
これを見て驚かれた方は多いのではないでしょうか。
EXコインのチャートを読み解くことで、投資家の心理や方針を推測できます。
そうすれば、リーマンショックのようなマーケットの暴落に巻き込まれたときにも、冷静な判断を下すことができます。
EXコインのチャートについて、日経平均株価やダウ平均株価、他の仮想通貨と比較しつつ分析します。
この記事の目次
コロナショックはブラックマンデーの再来か
今週はマーケットが大きく荒れました。
新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大を受けて、WHOがパンデミック宣言を発表。
原油価格急落というネガティブサプライズもあり、リスクオフ(リスク回避)の動きが広まりました。
結果、「史上初」の下落幅を記録する世界的な下げ相場へ。
リーマン・ショック(金融危機)との違いは、経済活動の自粛により実体経済が先行して悪化していることです。
先進国、特に日本の中央銀行には、景気対策のために打つ手がほとんど残されていません。
近年の行き過ぎた金融緩和のツケを払うときが来ました。
日経平均株価は過去最大の下落
2020年3月13日の日経平均株価の終値は、約17,400円。
午前中には30年ぶりの記録となる1,800円超の下落を記録しました。2016年11月以来の安値です。
一週間を通して3,318円70銭の下落となり、これは1987年10月の「ブラックマンデー」を上回ります。
日本銀行が所有する日経ETFの損益分岐点は約19,500円といわれており、一国の中央銀行が保有するETFが含み損に転じる異常事態となっています。
ダウ平均株価は2,600ドルを超える下落
3月12日には過去最大である2,352ドルの下落を記録。
翌日13日には反発し、こちらも過去最大となる1,985ドルの上昇を記録しました。
週次で見ると2,600ドルを超える下落となり、日経平均と同様、下落のトレンドが継続しています。
ビットコインは44万1900円の安値を記録
ビットコインは一時83万円台から44万1900円まで下落。
「デジタル・ゴールド」といわれたことがありましたが、どうやら投資家はビットコインを安全資産であるとは考えていないようです。
他のアルトコインも軒並み大きく下落しています。
チャート分析とは【分析技法解説】
本題に入る前に、前提を確認しておきます。
投資をする際には大きくふたつの考え方があります。
② テクニカル分析
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析とは、企業の本質的な価値にフォーカスして判断する考え方です。主に財務状況や業績を元に分析を行います。
自分が考える企業の価値よりも、株価のほうが安ければ、その株は「割安」なので投資適格だと判断します。
投資銀行のリサーチ・アナリストや、ヘッジファンドのファンドマネージャーが採用することの多いオーソドックスな手法です。
テクニカル分析(チャート分析)
テクニカル分析とは、過去の値動きを示すチャートからトレンドやパターンなどを把握し、今後の株価や為替動向を予測する分析手法です。
企業のファンダメンタルズはすでにチャートにすべて織り込まれていると考えます。
したがって、今回解説するチャート分析はこのテクニカル分析です。
テクニカル分析で勝てるのか
結論、テクニカル分析だけで勝つことは非常に難しいです。
経済学者の間では、チャートのみを判断材料に値動きを予測することは困難であるとする説が優勢です(効率的市場仮説)。
しかし、市場が効率的ではない(プロの参加者が少ない)場合など、一定の条件下では機能することがあります。
また、テクニカル分析からマーケットの理解を深めることができるので、試す価値は十分あります。
以上を踏まえて、EXコインのチャートを分析していきます。
EXコインのチャート分析
ここからは、EXコインのチャートを分析していきます。
EXコインはBigBossグループが運営する仮想通貨取引所FOCREXにのみ上場しているので、ここではFOCREXのチャートを利用します。
EXコインが上場した2018年11月30日から2020年3月14日までの期間を俯瞰すると、大きく3つのフェーズに分類可能です。
[フェーズ1] 上場直後
上場直後、EXコインのボラティリティ(価格変動幅)は非常に大きい状態でした。
価格は最大で50%程度下落し、デジタル中央銀行による「買いオペレーション」が発動しています。
原因は、実際に取引を行う市場参加者が少なく、板が非常に薄かったためです。
売りに出されているEXコインが少なかったとしても、買い手が少ない場合には表面上の価格は大きく下落します。
トレンド転換
2019年1月18日を境に価格は上昇し始め、1月21日以降は大きく値が崩れることはなくなりました。
ここから市場参加者が増加に転じたと考えられます。
[フェーズ2]高原状態が続く
2019年の7月まで、チャートは緩やかな上昇基調となります。
株式に比べればまだまだ板が薄いため、一時的な価格の下落はあります。
しかし、全体としてみれば安定的な高原状態です。
[フェーズ3]一貫して右肩上がりに
2019年7月23日を境に、EXコインのチャートは上昇のペースを早めます。
取引量も増加し、板は以前と比べて厚くなってきました。
2019年12月23日には、一瞬にして60枚以上のEXコインが買われました。
8,000万円以上の資金流入です。
長期間に渡り上昇トレンドは継続しています。
EXコインのチャートを比較してみる
今回のコロナショックで、ほとんどの株式・コモディティは大きく下落しました。
一方、EXコインはコロナショックの影響を受けていません。
EXコインのチャートを他の投資対象と比較することで、EXコインの優位性が明らかになります。
EXコイン vs 株式
週次で見ると、日経平均株価とダウ平均株価はいずれも大幅に下落。
下落トレンドは継続しており、どこまで下げるか先行き不透明です。
一方、EXコインは半年以上続く上昇トレンドが継続しています。
EXコイン vs ビットコイン
ビットコインはコロナショックで株式以上に大きく暴落しており、投資家から安全資産とは考えられていないことが読み取れます。
上昇基調のEXコインとは対象的に、依然としてビットコインの下落トレンドは継続しています。
EXコインも法的地位は「仮想通貨」に該当しますが、ビットコインと同じカテゴリーに属するとは考えないほうがよいかもしれません。
EXコイン vs アルトコイン(XRP)
ここでは、代表的なアルトコインのひとつとしてリップル(XRP)と比較してみます。
チャートからわかることは、XRPを含めアルトコインはビットコインとほぼ同じ傾向の値動きをするということです。
EXコインを除くと、世の中に2,000種類以上存在する仮想通貨には機能的な差がほとんどありません。
その意味では、同じようなチャートになるのは当然といえるのかもしれません。
EXコイン vs ゴールド
金(ゴールド)は安全資産であるといわれますが、コロナショックを受けて価格は大幅に下落しました。
意外にも、安全資産の代表格ともいえるゴールドはコロナショックに対抗できませんでした。
EXコインのチャートからわかること
EXコインは、コロナショックの影響を受けていません。
また、ビットコインを始めとする他の仮想通貨の値動きからも完全に独立しています。
安全資産であるゴールドの価格も下落する中、上昇を続けるEXコインのチャートはかなり特殊です。
投資家の心理
通常、株式市場の暴落が起きると、ほとんどの他の資産の価格は下落します。
なぜなら、投資家は一つだけのアセットクラスに投資をしているとは限らないからです。
例えば、いくらゴールドが安全だといわれていても、法定通貨とゴールドだけを持つ投資家は珍しいでしょう。
一般的には株式や債権も保有しているはずです。
そうすると、例えば株式が暴落し資産を大きく減らしたときに、手元資金を確保するために他の資産を売却しようという動きが出てきます。そこでゴールドが売られる可能性があります。
EXコイン投資家の性質
EXコインには誰でも投資をすることができますが、海外の取引所でしか取り扱っていないので、一定の参入障壁があります。
手間をかけてこのハードルを乗り越えている投資家は、投資対象であるEXコインの性質を理解しているはず。
特に、買いオペレーションの仕組みを正しく理解していれば、暴落時に売りを急ぐ動機はなくなります。
すなわち、EXコイン投資家はEXCについて理解した上で、合理的な行動をとっているにすぎません。
まとめ
EXコインは、コロナショックの影響を受けませんでした。
また、他のアルトコインのように、ビットコインの値動きの影響も受けていません。
チャートを紐解いて他のアセットと比較すると、このように様々なことが推定できます。
ところで、記事で用いたEXコインのチャートは、BigBossグループ傘下の仮想通貨取引所FOCREXから引用しています。
現在はBigBossに会員登録をしないとチャートを見ることができません。
会員登録の方法を知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。