【EXコイン開発者】英国投資家:房広治氏と元ソニー:日下部進氏の経歴
・房広治さんと日下部進さんってどんな人?
・経歴を知りたい!

こんな疑問に答えます。

 

今回は英国投資家の房広治さんと、フェリカを発明したエンジニアの日下部進さんの経歴について特集してみます。

世界一の投資家ウォーレン・バフェットは、投資をするときには経営者の能力や人格を見るといいます。

EXCの開発者である房さんと日下部さんについて知ることで、見えてくることは多いのではないでしょうか。

 

EXCプロジェクトは、金融とITの分野で傑出した実力を有する二人が協力することによって進められています。

房さんは数学の天才日下部さんは物理の天才といわれていました。そして、EXCは「数学と物理だけで」完全に説明できるつくりになっています。

記事の内容
・ 房広治氏の経歴
・ 日下部進氏の経歴
注意事項
・ EXコインLabの記事の内容は、すべて当サイトによる独自の考察であり、GVE社およびEXCとは一切の利害関係を持ちません。開発者非公認のサイトである点ご留意ください。

この記事の目次

Appleのスティーブ・ジョブズとティム・クックをGVEに重ねてみる

Apple

Appleの場合、CEOとしてずば抜けたセンスを持つスティーブ・ジョブズと、エンジニアとして高い技術を持つティム・クックのタッグが有名です。

先日、EXCの特許を持つGVEがシリコンバレーでユニコーンと呼ばれる理由を記事にしました。

米国のベイエリアでは、GVEとExcorの場合には、房広治さんがスティーブ・ジョブズ、日下部進さんがティム・クックのポジションにいるといわれているようです。

 

房さんは外資系投資銀行のヘッドを歴任し、その後ヘッジファンドを運営しつつ、日本初のFX取引所を含む複数の事業を立ち上げてきました。

プライベート・エクイティ・ファンドやミャンマー・レストレーション・ファンド(建国ファンド)でも成功されており、ゼロから事業を展開しスケールさせる手腕は超一流といえます。

 

日下部さんはソニー在籍時にエンジニアとしてフェリカを開発し、国際規格のNFC(Near Field Communication)を確立しました。

フェリカは香港のオクトパス事業で成功しており、現在日本で流通しているICカードはFelicaのシステム上で動いています。

QUADRAC株式会社ではローコストで極めて高いリアルタイム処理決済を可能にするQ-COREを発明し、政府系ファンドからの出資を受けています。テックの神様といわれる日本トップの天才エンジニアです。

EXCプロジェクト始動までの経緯

Start

EXコインは病室で発明された

2017年の春、房さんは北海道のニセコでスキーに行った際、事故に遭いました。ご家族との滑走中に転倒し、体の首から下が指先以外まったく動かなくなってしまったのです。

普通の人間ならその状況に絶望してしまい何も手につかなくなりそうですが、房さんは違いました。

入院中の有り余る時間を、当時仮想通貨バブルの真中にあったビットコインの分析に費しました。そこで気づいたビットコインのからくりと問題点を踏まえて、ある意味対案として考案されたのがEXC(EXコイン)です。

ミャンマーのアウンサンスーチー氏から決済プラットフォームの開発を頼まれたこともあり、房さんはEXCプロジェクトに着手します。そのためにはフェリカを発明した日下部進さんの力が必要でした。

共通点は”仮想通貨嫌い”

房さんと日下部さんは大の仮想通貨嫌いという共通点があります。

仮想通貨は詐欺」という言葉からわかるように、ふたりともセキュリティや決済システムに精通しているため、ビットコインをはじめとする既存の仮想通貨のセキュリティは「安全」からは程遠く、ナカモトサトシが提唱するシステムはオペレーションが非効率であり、全く合理的ではないことに気づいていました。

そのため房さんは日下部さんを説得できるか心配していたそうですが、杞憂に終わりました。

セキュリティとローコストオペレーションを柱とするEXCの思想を聞き、日下部さんも参画を決めました。

ふたりとも理系ということもあり、非常に合理的だと思います。ローコストオペレーションを可能にするために、あえて決済において税制が有利な仮想通貨として、EXCをデビューさせることを選択しました。

金融プロフェッショナル 房広治さんの経歴

Strategy

日本初のM&Aバンカーとなる

房さんは早稲田大学理工学部を卒業後、オックスフォード大学に入学します。オックスフォードでアウンサンスーチー氏に知り合い、スーチー氏の初の下宿人となります。

オックスフォード大学在籍時に書いた数学の論文を読んだ外資系投資銀行S.G.ウォーバーグ(現UBS証券)のインベストメント・バンカーが、房さんをヘッドハンティングします。

当時、インベストメント・バンキングはMBA卒業者か弁護士/公認会計士でなければ新卒では就職することができない特殊な職種でした。房さんは飛び級で入り、日本人初の本格的なM&Aアドバイザーとなりました。

日本に帰国後の1997年、房さんが率いるM&A部隊の株式引受実績が日本市場で一位に。

当時は野村證券や大和証券をはじめとする日系証券のシェアが圧倒的であり、人員が日系の10分の1以下である外資系投資銀行が首位に立つのは初めてのことでした。

房さんは「Life is experiment(人生は実験)」をモットーにしており、シェア拡大のために様々な施策を試した結果、卓越した結果に結びついたのだそうです。

名実ともに日本一のインベストメント・バンカーとなった房さんは、ロンドン本社の役員の道を約束され、また業界では異例のことですが、投資銀行部門(プライマリー)に加えてマーケットサイド(セカンダリー)やアセットマネジメントの部門も任されます。

その後、クレディ・スイス証券が日本部門の立て直しを図っていたときに、「この人しかいない」ということで破格の条件でヘッドハンティングされ、房さんは競合他社であるクレディ・スイスのインベストメント・バンキングのヘッドに転籍しました。

ヘッジファンドのサンドリンガム・ファンドを設立し、ファンドマネージャーに

もともと独立を考えていた房さんは、ヘッジ・ファンドを設立します。このとき、すでに100億円規模のファンドマネージャーのオファーももらっていたそうです。

英国エリザベス女王の離宮サンドリンガム宮殿にちなんで命名された「サンドリンガム・ファンド」は、初年度から90%超のリターンを叩き出し、同年ファンド・オブ・ザ・イヤーを受賞します。

フレンドリー・アクティビストと呼ばれる手法で経営権を取得した会社のマネジメントにも携わりました。ここで、現楽天証券の前身で日本初のFX会社であるDLJディレクトSFG証券の運営に参画します。房さんは、日本のFX業界の基盤をゼロ立ち上げた張本人であるといえます。

the hedge fund journalの記事 Sandringham Capital Partners Limited Catching the new wave of reform in Japan では、サンドリンガム・キャピタル・パートナーズの投資手法について詳細に解説してあります。

その後、プライベート・エクイティ・ファンドやオックスフォード大学アドバイザー、ミャンマー・レストレーション・ファンド(建国ファンド)等で活躍されています。

長年親交の深かったアウンサンスーチー氏から、ミャンマーで使える決済プラットフォームの開発を依頼されたことがきっかけとなり、EXCプロジェクトが始動しました。

 

スーチー氏との関係については、房さんの著作「アウンサンスーチーのミャンマー」に詳しく書かれています。

海外でNo.1の知名度を誇る日本のテックの神様 日下部進さんの経歴

Tech

SONYでフェリカを開発し、世界の覇権を取るための戦略を考案

日下部さんは早稲田大学を卒業後、ソニーに就職しました。

エンジニアとしてフェリカの開発に成功し、国際標準規格ISO/IEC18092のNFCを確立しました。

フェリカはコモンクライテリアからEAL6+の認証を受けており、過去21年間ハッキングされたことがなく、軍事機密レベルのセキュリティを誇ります。

これは日下部さんの卓越したエンジニアリングの手腕があってこそ成し遂げられた成果でした。

日下部さんは、フェリカのポテンシャルを最大限に引き出し、ソニーが世界の決済システムの覇権をとるための道筋を示します。

 

私が目指したのは、エディ(電子マネー)とフェリカネットワークス(メモリ管理など)を合わせたビジネスでした。(中略)デジタルネットワーク時代に大切なのは、コンテンツ(映画や音楽などの作品)は売らないことです。売るのはライツ(視聴する権利)で、映画や音楽などはデータとしてコピーさせていいんです。つまり、ライツを管理するビジネスです。

EXCについて勉強されてきた皆さんはお気づきだと思いますが、これはEXCの発想そのものです。EXCは電子決済以外にも、データ管理のためのストレージや選挙のための投票など、様々な用途に活用できます。しかし、GVEが提供するのはあくまでプラットフォームそのものであり、コンテンツを売ることはありません。

 

二一世紀がデジタルネットワークの時代なら、インターネットを通してすべての処理が可能になることも、そう遠い将来のことではない。フェリカの開発者である日下部進が指摘したように、カードも携帯電話も不要の「バーチャルフェリカ」こそが、時代の要請なのではないか。

 

実際には、ソニーの経営陣の判断ミスにより、フェリカは日本にローカライズされたペイメントシステムとなり、国内においても複数のICカードが乱立しました。

 

「日下部さんはエンジニアでありながら、どうやって儲けるのかを考えている人でした。彼はICカードを売るだけでなく、JR東日本と組んで、『Suica』の手数料ビジネスに参入することを狙っていたのです。ところが、ソニーは、そのアイデアを退け、単独でフェリカを使った『Edy』という電子マネービジネスを始めたのです」

会社の方針に反対した日下部氏は、居場所がなくなり、部門長も外されてしまったという。

「しかし、その『Edy』もうまくいかず、結局、ソニーは売却してしまう。フェリカを開発しておきながら儲けることが出来なかったのです」

 

いわゆるバーチャルフェリカは、後に"EXC"と名前を変えて登場することになります。

日下部さんがティム・クックに重なる本当の理由

立石泰則さんの「フェリカの真実」によれば、日下部進さんは実業家の血筋を受け継いでいます。

(2021年3月に、『増補新版 フェリカの真実: 電子マネーからデジタル通貨へ』が発売されました。)

 

日下部進さんの曾祖父・久太郎氏は、海運業の日下部汽船を設立して成功し、「海運王」と呼ばれていました。

祖父の久男氏は、継いだ会社の業種転換を成し遂げるビジネスセンスを有していました。

 

最終的に日下部汽船は業種転換に成功し、社名も日下部建設に変更され、生まれ変わることになったのである。久男は二代目社長だが、ある意味、日下部汽船の「中興の祖」と呼んでも差し支えない存在である。

 

そして、久男氏を支えた日下部進さんの父・紀一郎氏はエンジニアとしても非常に優秀でした。

このようにして、日下部さんはエンジニアリングとマネジメントの資質を兼ね備えることとなりました。

 

ところで、Appleのティム・クックはエンジニアとして有名ですが、実際にはCEOとしての才覚もありました。

スティーブ・ジョブズは、本当にテック史上で最も偉大な最高経営責任者(CEO)なのだろうか? 企業を率いるという意味で考えると、実はあらゆる面でティム・クックのほうが優れていると言えるかもしれない

 

房さんも絶賛するところですが、日下部さんはエンジニアとしての実力のみならず、卓越したビジネスセンスを持ち合わせています。

それは、フェリカを世界に展開するために考案された戦略を見れば明らかです。

大学時代からエンジニアリングの技術を生かしたビジネスで成功し、ソニーに就職した後もサラリーの数倍の収入を得ていたというエピソードからも、日下部さんの起業家気質が伺えます。

プロダクトを作り上げるエンジニア自身が経営戦略を理解していることは、EXCの開発においても大きく有利に働くと考えられます。

まとめ

summary

房さんと日下部さんの経歴を振り返ってみました。

実は、お二人はどちらも中高一貫校である関西屈指の進学校・六甲学院の出身で、日下部さんが房さんの先輩に当たります。

Appleのスティーブ・ジョブズとティム・クックと同様、お互いの長所を引き出し合えるようなタッグといえるのではないでしょうか。

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